印鑑のレーザー彫刻による作成


印鑑を作成するときの方法としてレーザー彫刻がしばしば注目されるようになりました。レーザーと聞くと新しい技術が使われていてとても魅力的な印鑑ができるのではないかと思う人もいるでしょう。この記事ではレーザー彫刻でどのような印鑑を作れるのかを解説します。

実際に作成するときに知っておくと役に立つノウハウも紹介します。

レーザー彫刻で作れる印鑑とは

レーザー彫刻はその名の通り、レーザーを使って彫刻するのが特徴です。材料に対して強い光の束として知られるレーザーを照射することによって彫っていく仕組みになっています。レーザーは様々な材料の加工だけでなく、美容目的での利用や医療応用も進められています。

使用するレーザーの光の波長や出力の大きさによって、どんな対象をどのような形で変化させられるかが異なるのが特徴です。レーザーは大きなエネルギーを対象に与えることで焼き切る形になるので、対象が吸収しやすい光の波長を選び、目的に応じたエネルギー量を与えられるように出力を決めなければなりません。

印鑑を掘るときにも材料に合わせて適切なレーザーを選ぶことになります。ただ、一般的にはレーザー彫刻による印鑑の作成ではシリコンゴムが用いられていて、シリコンゴムを掘るのに適したレーザーを搭載した専用の機器が用いられています。

そのため、レーザー彫刻で作成できるのはゴム印だけです。ただ、レーザー彫刻は精度が高くて複雑な文字や図柄の掘り込みができます。手彫りに比べて時間もかからず、精巧な仕上がりのゴム印を手に入れられるでしょう。

印影は電子データで作成したものを用いることができるのも特徴で、手書きしたデザインの場合にもスキャンしたデータがあれば印影を作成することが可能です。電子化が進んでいる現代社会だからこそレーザー彫刻の有用性も高まっていると考えられるでしょう。

業者にレーザー彫刻を依頼するときの流れ

レーザー彫刻で印鑑を作るときには専門業者に依頼するケースがほとんどです。レーザー彫刻をするには専用の機器を持っている業者を選んで注文することになります。

その依頼の流れを簡単に確認しておきましょう。まず、業者に電話やメール、店頭などで相談を持ち掛けます。基本的にレーザー彫刻はオーダーメイドなので、1つずつ丁寧に相談を受けて作成する仕組みになっています。レーザー彫刻での印鑑作成をしたいということを伝えると、デザインについて入稿方法の説明を受けるのが一般的です。

電子データでの入稿を求められることが多く、データを作成する上での注意点やフォーマットの指定などを受けます。デザイン会社を兼ねている依頼先の場合には稲井の作成を依頼することも可能です。印鑑に入れたい文字や画像などを業者に伝えると、いくつかの候補を作ってもらえます。

デザインの作成と並行して行うのがサイズの決定と印鑑本体の種類の選定です。電子データに基づいて彫刻できるので、元データと全く同じ縮尺でなくても彫れます。使用目的に応じて縦横の大きさや、彫りの深さを決めてデザインを確定していきます。

また、印鑑本体のデザインや大きさ、使用する素材なども細かく指定可能です。

ゴムを接着できる素材なら何でも使えますが、一般的なのは木製かプラスチック製です。このようにして仕様を決定したら書面を交わして印鑑を作成してもらいます。納期は業者によって違いますが、即日から二週間程度というのが通例です。

そして、印鑑が完成したら印影の確認を行い、適切な仕上がりになっていたら納品を受けるというのが一般的な流れです。

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レーザー彫刻の工程を知ろう

業者にレーザー彫刻で印鑑作成をしてもらったときに、どのような流れで作業が進められていくのかも確認しておきましょう。電子データの印影をレーザー彫刻機に入れて、基材にするゴムをセットします。そして、彫刻機を稼働させれば速やかに印影の彫り込みが行われます。

そして、彫った際に生じたカスがたくさん付着しているので洗浄を行い、彫刻された部分を切り取ったらゴム部分は完成です。これと合わせて印鑑の本体部分を用意します。両者を粘着シートなどで貼り付けたら印鑑ができあがります。

納品の前に印影確認を業者が行い、もし不具合がある場合には再作成や修正を実施した上で納品するというのが通常の流れです。レーザー彫刻機があるお陰で、彫刻部分は高度な技術を必要とせず、スムーズに作成できるようになっています。

家庭でもレーザー彫刻は可能か

レーザー彫刻による印鑑作成の工程を確認してみると、レーザー彫刻機があれば素人でも作れるのではないかと思った人もいるでしょう。実は家庭でもレーザー彫刻をすることが可能です。レーザーカッターの家庭用製品が開発されたからです。

レーザーカッターとシリコンゴムさえ手に入れれば家庭でもゴム印を作ることができます。家庭用レーザーカッターは素人でも使えるように設定が簡単になっているので、気軽に作成できるのが魅力です。レーザーカッターの機器に対応しているシリコンゴムを購入して使えば、彫る深さも正確に設定できる仕様になっています。

家庭用として販売されていますが、企業で使っても全く問題はありません。自社で簡単にゴム印を作れるようにしたいときには検討してみましょう。

レーザー彫刻で印鑑を自作するときの注意点

レーザーカッターを手配して印鑑を自作するときには注意点があります。精巧に作られている機器なので彫刻をするところはうまくいく可能性が高いでしょう。ゴムは洗浄に強いので、彫り終わった後の洗い方で困ることもまずありません。

ただ、ゴム印を作るためには印鑑本体を用意しなければならず、最後に接着する過程があります。本体の確保が大変だったり、接着がまっすぐにできていなくてきれいに押せなかったりする場合もあるので注意しましょう。仕上がりを重視する場合には自作をするよりも業者に任せた方が安心です。

特に均一に押せる印鑑にしたい場合にはプロに依頼して印鑑を作るのが適切です。

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レーザー彫刻で気軽にゴム印を作ろう

レーザー彫刻機を使って簡単にゴムに彫刻し、ゴム印を作れるようになりました。家庭用のレーザーカッターでも作れるので自作可能ですが、仕上がりを重視するならプロの印鑑業者に依頼するのが良いでしょう。電子データに基づいた精巧な作りの印鑑を短時間で手に入れられるのがメリットなので、レーザー彫刻の印鑑を活用していきましょう。